【借入金利は上がるか】-日銀、17年ぶりの利上げ-

3月19日、日銀がマイナス金利を止めると発表しました。▲0.1%→+0.1%、と0.2%利上げした、ということです。「これで円安も一服?」なんてこと、ないでしょう。米国FRBは5.25%、5%近い金利差です。当面ガソリンは高そうです。

では国内はどうでしょう。変動金利の場合、「基準金利+●●%」という約定が一般的で、昨今では「TIBOR」(たいぼー)という基準金利が使われています。3か月毎の利払いが一般的なので、「TIBOR3か月物」の推移を見てみましょう。

(全銀協資料より当社作成)

(縦軸はBP(べーしすぽいんと):1bp=0.01%)

どうでしょう、日銀発表後、ドーンと上がっているのがお判りでしょうか。3倍強。絵的にはドラスティックですが、別に約定金利が3倍になるのではなくて、今より0.2%近くは上がるよ、ということです。

企業さんにとっては、金利はコストであり、「金利よ、おまえもか」と苦々しく思ってらっしゃる方もいると思います。でも、それまでは未曾有の低金利の恩恵を受けてきたのです。むしろ金利は上げ下げするもの、と理解したほうが良いかと思います。

事業再生や企業支援の観点から言いますと、以前も書きましたが、この未曾有の低金利のおかげで、過剰債務状態の会社さんが永らえてきた、のは事実です。「元金返済は微々たるものでいいから、金利だけは払ってね。」と言われて、延々とリスケジュールを繰り返している会社さんもおられます。しかし、金利が上がると金融機関として「逆ザヤ」つまり、「高い金利で調達して、安い金利で貸す」という事態に陥ります。むろん、強烈に利上げを迫るのでしょうが、それは受け入れられず、企業さんは窮地に追い込まれます。

しかし、むしろそれが自然の経済の流れであり、そこに無理をしたから歪が生まれている、と私は考えています。

今後の経済動向に注視したいと思います。