究極の資金繰り対策「リスケジュール」を検討しよう

究極の資金繰り対策「リスケジュール」について

令和5年5月8日から、新型コロナ感染症は「5類」となり、コロナに悩まされた3年の歴史は、ようやく終止符が打たれた感があります。

が、その3年間のコロナ禍において売上がガタ落ち、政府系金融機関や民間金融機関から多額の「コロナ特別融資」(以下、コロナ借入。ゼロゼロ融資、とも言います)いらっしゃるのではないでしょうか。

2-3年の元金返済据置期間が経過

コロナ借入には大体2-3年の元金返済据置期間がありますが、今、まさにその「3年目」にあたる返済開始ピークが始まっています。今年7月に返済開始の最大の波「第3波」がやって参りました)。弊社には、昨年の10月以降、この返済開始についてのご相談が急増しておりますが、正直その数は予想以上です。

コロナ借入は「売上急減に対する資金繰り補填」として融資されたものです。これは「赤字資金」と呼ばれ、銀行としてはネガティブなのですが、国が100%を保証すると呼び水を入れたため、コロナ収束までに40兆円を超える膨大な融資が実行されました。

一般的に、赤字資金は「利益償還」、すなわち「当期利益+減価償却費」で弁済する必要があります。これを超える弁済はキャッシュアウトします。資金繰りをじわじわと食いつぶすのです。たまったものではありませんね。

コロナ特別融資の借り入れと返済例

5,000万円のコロナ借入をしました。2年据置の7年弁済だとします。5,000万円÷5年=年間1,000万円の「当期利益+減価償却費」が必要です。それが5年間コンスタントに叩き出せればそれはOK、なんですが、なかなか大変なのではないでしょうか。そこまで収益力が回復していなければ、返済するお金、どこかから足らず米を持ってこなければなりません。

 

返済額を軽減するのが「リスケジュール」

そこで、「リスケジュール」。簡単に言えば、「返済額を軽減する」ということです。

「いや、そんな不義理はできない。約束は果たします」という社長さんが圧倒的に多いと思いますが、上述の計算式「以上」の弁済を続けると、必ず現預金は減少してゆきます。現預金が減少し続けると精神的に追い込まれます。

カネのストレスは経営判断を鈍らせます。まずは、冷静に、客観的に財務を見極めましょう。

「リスケジュールすると、金融機関から不良債権のみなされるのではないか」「必要なときお金貸してくれないのではないか」と思う事業者さんも多いです。確かにそれは一理あります。その場合は、資金繰りに追い込まれる前に、金融機関さんに「折り返し資金を出してくれないか?」と相談してみましょう。
「折り返し資金」とは、前述の「当期利益+減価償却費」では賄えない返済資金分を、追加で借りる資金のことです。「返した分をまた借りる」ということです。この折り返し資金を計画的に借入れ、融資弁済額は約定のまま進ませる。これは「業績が回復傾向にある」のであれば有効です。銀行も「回収できそうだから貸す」のです。

しかし、残念ながらコロナ禍の傷が癒えないまま返済開始を迎えた場合、その「折り返し資金」は期待薄の場合が多いです。その場合は、「リスケジュール」を申し出ましょう。

 

リスケジュールの申請には3つの方法がある

リスケジュールの申請は、以下の3つの方法があります。

  1. メインバンク(一番借入が多い金融機関)に相談する。
  2. 顧問税理士さんや、弊社のような「認定支援機関」に相談する。
  3. 全国の都道府県にある「中小企業活性化協議会」に相談する。

 

1→2→3の順で、相談してみることをお勧めいたします。

 

リスケしたあとの大事なこと

さて、返済は止まりました。でも、同時に「いつまで止めるの?」「いつからいくらずつ返済するの?」と100%聞かれます。
そこで概ね6か月以内に「経営改善計画書」という返済計画をまとめた計画書の提出を求められます。3-5年の経営計画、です。
この計画書が提出され、全部の取引金融機関から承認をもらえると、金融機関は仮にリスケジュールしても「計画に基づく、意義のあるリスケジュール」として認識します。

一方、この計画書策定には金融機関が審査・承認する上で一定のハードルルールがあり、一般的な事業者さんには結構しんどい作業です。策定しても、それを金融機関さんに説明し、納得を受けるには結構な時間と労力が必要です。

その道のプロの助けはMustです。

中小企業庁では、「経営改善計画策定支援事業」という補助事業を行っています。「その道のプロ」である専門家費用の2/3を国が補助する制度です。利用するには認定支援機関が関与することが条件ですが、非常にいい制度ですので、利用しない手は無いですよ。

不明な点は、弊社に照会頂ければご説明いたします。
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